さむらい草紙

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【ゲーム雑感】ボードゲーム「Insider」と「敗北時の責任追及」の考え方

今日は「Insider」というボードゲームの紹介。

 

【ルール説明】

いわゆる「ウミガメのスープ」的なゲームに「人狼」的な要素を加えたルールです。

ゲームマスターが知っている「正解」の単語を当てる為、プレイヤー達はYES/NOで回答できる質問を投げ、ゲームマスターの反応を参考に近づいていくという内容です。

 

例えば、「正解」が「テレビ」だとしたら、「電気で動く?⇒YES」「家の中にある?⇒YES」「手のひらに乗るサイズ?⇒NO」…といったように、質問を繰り返し正解に近づいていくわけですね。

 

しかしプレイヤーの中に1人Insider、つまり内通者がいて、彼は「正解」が「テレビ」であることを知ったうえでゲームマスターに質問を投げかけます。「正解」を当てた時点で終わるゲームならそのままInsiderが一人勝ちして終わりなのですが、このゲームは「正解」した後にInsiderが誰だったのか、ゲームマスター含めた全員で予想するところが本番です。

 

ここでInsider自身を言い当てられてしまうとInsider以外のプレイヤーが勝ち、Insiderが誰か多数決で当てられなければInsiderの勝利、というわけです。

 

ですのでInsiderはあまり核心に迫る質問を投げかけすぎると「こいつ正解知ってるんじゃないか?」と疑われてしまうので、適度に分かっていないふりをするのが肝要になってきます。

議論の方向を上手くコントロールしつつ、他のプレイヤーが核心に迫るような質問を投げるよう誘導していく組み立てを考えるのが面白い、ロジカルなゲームです。

 

【感想】

で、このルールだとInsiderはずっと黙っていればいいじゃないか、となると思うのですが、このゲームは回答に制限時間があり、時間が無くなってしまうと全プレイヤーの敗北という仕組みになっています。

 

ここが難しく、プレイヤーは「目立ちまくって言い当てられて負ける」か「全員が回答にたどり着かず負ける」か、の2つの負けのリスクに晒されながら質問を投げかけていかないといけないわけです。

 

ここで人間面白いなぁと思ったのは、「目立ちまくって言い当てられて負ける」か「全員が回答にたどり着かず負ける」状況を天秤にかけたとき、みんな自分のせいで自分一人が負ける方を嫌うということですね。

回答の残り時間が30秒だったとして、そこでInsiderが核心に迫る質問をガンガン投げると皆にバレてしまうじゃないですか。となると、最後まで潜伏を続けてみんなで負ける方を選んじゃうんですね。

 

そこがこのゲームの一番難しいなぁと思ったところで、この「全員で負けるならいいや」のジレンマを回避する策を講じない限り、最悪負けでゲームを流せてしまうという緩さがゲームの緊張感を落としてしまうなぁと感じました。

例えば「時間切れで負けたら全員指一本詰める」とかだったら、インサイダーも回答者 も死ぬ気で正解を出そうと思うので、ゲームがより動くようになるんですよね。

 

ゲーム的な改善案はさておき、「一人で積極的に動いて負ける」より、「だらだらとみんなで責任を分け合って消極的に負ける」方が心理的ハードルが低いのだということはとても興味深い結果でした。

エンタメとしては前者の方が盛り上がるし、何も仕掛けずに負けてしまうと得るものもなくなってしまうので、このゲームに限らず停滞した負け方が続くような状況が発生したら、何かしら策を考えないといけないなーと思った次第です。

 

ありがとうございました。